大丸デパート絵画展

東京駅に隣接している大丸デパートの大絵画展、油彩画やリトグラフ、シルクスクリーンなどの作品が2,000点以上、毎回300点を販売、とすごい数字。
有名な画家の作品が多いが、片岡球子や中島千波などのリトグラフやシルクスクリーンの版画が目立った。そのへんの作品は、あちこちで見ているため、ややがっかり。

藤井勉先生のF0の油彩画が何点かあり、凝視していると、「いかがでしょう?」と店員の方に声をかけられた。「藤井先生は、最近はいつもこんな感じだね。昔の作品は良かった。」と話すと、「こちらの作品はいかがでしょう。」とF6号を指差した。その作品は、なかなかの作品。はっきり覚えてないが、値札は75万円くらいだったと思う。しばらく眺めてから、「これはいいね、いくらくらいになるの?」と聞いてみた。「ちょっと待ってください。」と電卓を持ち出し、たたきだした。「そうですね、68万円にはさせていただきます。」とのこと。「うーん、50くらいにならんのかなあ。」「いやあ、これだけの作品ですし、50は厳しいですね。」「じゃ、考えてまたくるわ。」と答え、他のブースに。
そちらには、あまり有名でない方の作品が130万円であり、気になったので、よってきた店員の方に「この先生はどういう経歴の方ですか。」と聞いた。「ちょっと待ってください。」と2~3分くらいおいて、「いま調べていますが、外国の風景を描く先生ということはわかっているんですが、もうしばらくお待ちください。」・・・絵を見れば、外国の風景らしきことは誰でもわかると思うのだが。さらに2~3分たち、「すみません、調べてみたのですが、よくわかりません。」とのこと、100万円を超える作品なのに、作家のことを調べてないというのは不思議だった。ほかに目を移すと、宮本三郎先生の海老を描いたF3号の作品が。これは素晴らしい作品だが、値札をみると、150万円くらいの価格になってた。
そのまま出口の方に行くと、先ほどの店員が待ち構えていた。「あの宮本三郎先生の作品は素晴らしいね。でも、値段が高すぎる。半分くらいにしないとね。」と話すと、「実は、あちらはうちと違う会社なんですよ~。」とのこと。いろいろな業者が合同で開催しているらしい。ややびっくりした。
「ところで、先ほどの藤井勉先生の作品ですが、60万円でいかがでしょう。」・・・あまり買う気を見せていないにもかかわらず、いきなり68万円から60万円に下げてきた。本気で交渉すれば、50万円プラス消費税くらいで落ち着くのかも知れない。
「これはいつ頃の作品なんですか。」と聞くと、「そうですね10年から15年くらい前の作品だと思います。」と。普通、額の裏ぶたをあけ、キャンバスの裏に制作年が書いてなければ、不明なので、やや不審感が。
次に「この作品には保証はつきますか?」と質問すると、「日本画には、共シールがついていて、それが保証になるんですが。」「それが保証になるの?普通、保証書は、東京美術倶楽部とかの保証書がつかないと保証といわないんじゃ?」と聞くと、保証書は偽物もありますから・・・と、おかしな答えが返ってきた。「先生が現存していますので、藤井先生は保証書は発行しないんですよ。」そんな話は初耳だ。藤井勉先生は保証書を発行しないんだろうか。「普通、現存作家でも、作品を持ち込んだら3万円から5万円くらいで、本物かどうか見てくれるんじゃ?」と言うと、なんだか意味不明の言葉を発して、理解できなかった。そのうち、思い出したように「油彩画の場合、キャンバスの裏に裏書がありますので、サインがあれば、それが保証になります。」とおかしなことを言い出す。表のサインと裏にタイトル、サインをするのは一般的なので、裏書が保証になるという言葉は違うと思うのだが。
裏がネジでとめてあったため、ドライバーであけてみます。というので待っていたら、あきらかにネジより大きなマイナスドライバーを持ってきて、小さい十字のみぞに入れてあけようとしたので、「おいおい、それはないでしょ。」というと、「じゃ、ちょっと待ってください。」と他の業者のところに行こうとするので、「いいよ、またくるから。」と催事場をあとにした。

話の途中で「大丸が主催しているので、作品については信用していただいて結構です。」と話していたが、贋作だった場合、大丸デパートが保証するようなことを言っていた。本当にそんなスタンスで良いのだろうか疑問だ。

途中、「新聞にのっていたので、わざわざ静岡から来ました。」という年配の女性も。

大丸デパートで、300点を超す作品を販売するというので、かなり絵画の知識があり、営業力も備えた店員さんがいると思ったのだが、やや残念な結果でした。

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