国立新美術館・・・日展



ハピスブルク展を見終わった後、トワイライトチケットを利用して、日展の会場に足を運んだ。


さすがに、粒ぞろいの作品が多く並んでいた。


白日会の会長である中山忠彦画伯の作品(写真は昨年の作品)は素晴らしい。一見して中山先生の人物画と分かる。
しかし、白日会全盛というように、具象の人物画の入選作が多いのには驚いた。

以前に比べると、写実画の多さが目立っているように思える。

日本画では、物故作家の大山忠作画伯の作品が秀逸。

毎回、出かけるたびに、デジカメを持たないことに気づくのは歳のせいか。残念に思う。




国立新美術館のサイトより引用

会期 2009年10月30日(金)~2009年12月6日(日)
第41回 日展 (主催:社団法人 日展)
展示室
1A・1B・1C・1D・2A・2B・2C・2D・2E・3A・3B
作品ジャンル
日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書
料金
一般 1,200円 / 大学・高校生 700円トワイライトチケット(午後4時30分以降の時間限定入場券) 一般 300円 / 大学・高校生 200円「小・中学生無料鑑賞券」制度あり障害者手帳をお持ちの方及び付添者1名まで 無料
最終日閉会時間
午後6時(入場締切 午後5時30分)
http://www.nitten.or.jp/
その他
*11月6日(金)・13日(金)・20日(金)・27日(金)・12月4日(金)は午後8時まで観覧可能





日展のサイトから引用


文部科学大臣賞
日本画
敦盛(黒川能)
能島 和明
祭りなど取材する事が多い作者が、今回は400年以上続く黒川能の舞をテーマとし、味わいのある素朴な色感で見事に描いて成功した。敦盛の無念さを感じさせる深い情念の様な不思議な空気を表現した力作である。



洋画
ひととき
佐藤 哲
現代女性のいきいきとした表情を、力強い色彩と筆勢で、演奏会前の期待と不安な様子を正面から構成し、たくみに表現した秀作である。



日展会員賞
日本画
夏の夜に舞う
中村 賢次
夏の夜の情景が美しい色感だ。作者の家族の一員娘をモチーフで、近くの小川に生息するホタルを描いて、家族との関係、絆を感じる温かい気持を描かれた作品だと思う。



洋画
遥光
大友 義博
日展はアカデミズムを標榜して百年を経た。とりわけ洋画は写実を礎としているが、画家は芸大で厳しい素描の修練を経、それを作画の基本に据えている。この作も落着いた色と光(調子)を駆使し、気持の良い筆致で情景を描ききっている佳作である。

国立新美術館・・・ハピスブルク展


六本木の国立新美術館、乃木坂駅から入るほうが、六本木駅からより近いようだ。

広い会場のなかで、いくつかの展覧会を開いている。
ベラスケスの描いた「白衣の王女マルガリータ・テレサ
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ディエゴ・ベラスケス《白衣の王女マルガリータ・テレサ》1656年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵」を見たくて出かけたが、このアンドレアス・メラーの「アンドレアス・メラー《11歳の女帝マリア・テレジア》1727年 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵」は秀逸だった。
他にもフランツ・クサファー・ヴィンターハルター《オーストリア皇妃エリザベート》1865年 油彩、カンヴァス 国家家財管理局 宮廷家財庫 ウィーン家具博物館蔵やディエゴ・ベラスケスの《白衣の王女マルガリータ・テレサ》1656年頃 油彩、カンヴァス ウィーン美術史美術館蔵などなど、ルーベンスやヴァン・ダイク、レンブラント、18世紀にかけて活躍したムリーリョ、エル・グレコらスペインの代表的作家の名作がたくさんあり、思っていたより多くの作品に出合うことができ感動した。

国立新美術館からの引用
2009年9月25日(金)− 2009年12月14日(月) 会場:企画展示室1E
日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国(当時)とが国交を結んで140年の節目にあたる今年、ウィーン美術史美術館(オーストリア)とブダペスト国立西洋美術館(ハンガリー)の所蔵品からハプスブルク家ゆかりの名品を核に選りすぐり、絵画の至宝75点に華麗な工芸品を加えた計約120点を展覧する大規模な美術展を開催いたします。
展覧会ホームページ:http://www.habsburgs.jp/

国立新美術館・・・独立展




独立美術協会の独立展が国立新美術館で行われている。
絹谷幸二が会長の大きな会である。
二科展が、会長の織田広喜に似た作品が多いのと同様、絹谷幸二もどきの作品が数多く並んでいた。絹谷の作品は、いつも注目しているが、今回の作品はいまいち迫力が感じられなかった。絵画以外の仕事が忙しすぎて、集中できていないのではないだろうか。人気者はつらいという印象。
長い間、マネキンを描き続けている石井武夫(画像参照)、最近の作品にはマネキンと一緒にヌードを描くようになっているが、なぜなんだろう。偉い先生になったので、ヌードを描きたくなったのだろうか?疑問に思う。
昨年の作品(画像下)は、前に立つ男性の影の部分など、絹谷幸二のような描き方をしているが、まずまず。しかし、一昨年の作品(画像上)は、「いけません」。人物の描き方が弱々しく、色彩もいまいち。
今年の作品は、後ほど掲載。
敬称略






成田山にて篠﨑輝夫 回顧展が開催中

日展の評議員をつとめた篠﨑輝夫画伯の回顧展が成田山新勝寺にて行われている。

成田山に関連がありそうな、絵馬の作品や能の作品、10頭の馬が駆けている油絵など、100号前後の大作が、100坪はありそうな広い講堂に展示されている。

篠﨑輝夫
昭和4年(1929)、成田市生まれ。
千葉大学卒業
成田中学、成田高等学校教師
日展評議員
光風会常務理事
千葉県美術会会長
郷陽会会長
平成17年(2005)に死去


会  期
平成21年9月25日(金)~平成21年10月25日(日)  

開催時間
午前9時~午後4時
入場は午後3時30分まで

会  場
成田山大本堂 第二講堂

展示内容
①絵馬からシルクロードへ
②成田山薪能
③人物画
④スケッチ

大丸デパート絵画展

東京駅に隣接している大丸デパートの大絵画展、油彩画やリトグラフ、シルクスクリーンなどの作品が2,000点以上、毎回300点を販売、とすごい数字。
有名な画家の作品が多いが、片岡球子や中島千波などのリトグラフやシルクスクリーンの版画が目立った。そのへんの作品は、あちこちで見ているため、ややがっかり。

藤井勉先生のF0の油彩画が何点かあり、凝視していると、「いかがでしょう?」と店員の方に声をかけられた。「藤井先生は、最近はいつもこんな感じだね。昔の作品は良かった。」と話すと、「こちらの作品はいかがでしょう。」とF6号を指差した。その作品は、なかなかの作品。はっきり覚えてないが、値札は75万円くらいだったと思う。しばらく眺めてから、「これはいいね、いくらくらいになるの?」と聞いてみた。「ちょっと待ってください。」と電卓を持ち出し、たたきだした。「そうですね、68万円にはさせていただきます。」とのこと。「うーん、50くらいにならんのかなあ。」「いやあ、これだけの作品ですし、50は厳しいですね。」「じゃ、考えてまたくるわ。」と答え、他のブースに。
そちらには、あまり有名でない方の作品が130万円であり、気になったので、よってきた店員の方に「この先生はどういう経歴の方ですか。」と聞いた。「ちょっと待ってください。」と2~3分くらいおいて、「いま調べていますが、外国の風景を描く先生ということはわかっているんですが、もうしばらくお待ちください。」・・・絵を見れば、外国の風景らしきことは誰でもわかると思うのだが。さらに2~3分たち、「すみません、調べてみたのですが、よくわかりません。」とのこと、100万円を超える作品なのに、作家のことを調べてないというのは不思議だった。ほかに目を移すと、宮本三郎先生の海老を描いたF3号の作品が。これは素晴らしい作品だが、値札をみると、150万円くらいの価格になってた。
そのまま出口の方に行くと、先ほどの店員が待ち構えていた。「あの宮本三郎先生の作品は素晴らしいね。でも、値段が高すぎる。半分くらいにしないとね。」と話すと、「実は、あちらはうちと違う会社なんですよ~。」とのこと。いろいろな業者が合同で開催しているらしい。ややびっくりした。
「ところで、先ほどの藤井勉先生の作品ですが、60万円でいかがでしょう。」・・・あまり買う気を見せていないにもかかわらず、いきなり68万円から60万円に下げてきた。本気で交渉すれば、50万円プラス消費税くらいで落ち着くのかも知れない。
「これはいつ頃の作品なんですか。」と聞くと、「そうですね10年から15年くらい前の作品だと思います。」と。普通、額の裏ぶたをあけ、キャンバスの裏に制作年が書いてなければ、不明なので、やや不審感が。
次に「この作品には保証はつきますか?」と質問すると、「日本画には、共シールがついていて、それが保証になるんですが。」「それが保証になるの?普通、保証書は、東京美術倶楽部とかの保証書がつかないと保証といわないんじゃ?」と聞くと、保証書は偽物もありますから・・・と、おかしな答えが返ってきた。「先生が現存していますので、藤井先生は保証書は発行しないんですよ。」そんな話は初耳だ。藤井勉先生は保証書を発行しないんだろうか。「普通、現存作家でも、作品を持ち込んだら3万円から5万円くらいで、本物かどうか見てくれるんじゃ?」と言うと、なんだか意味不明の言葉を発して、理解できなかった。そのうち、思い出したように「油彩画の場合、キャンバスの裏に裏書がありますので、サインがあれば、それが保証になります。」とおかしなことを言い出す。表のサインと裏にタイトル、サインをするのは一般的なので、裏書が保証になるという言葉は違うと思うのだが。
裏がネジでとめてあったため、ドライバーであけてみます。というので待っていたら、あきらかにネジより大きなマイナスドライバーを持ってきて、小さい十字のみぞに入れてあけようとしたので、「おいおい、それはないでしょ。」というと、「じゃ、ちょっと待ってください。」と他の業者のところに行こうとするので、「いいよ、またくるから。」と催事場をあとにした。

話の途中で「大丸が主催しているので、作品については信用していただいて結構です。」と話していたが、贋作だった場合、大丸デパートが保証するようなことを言っていた。本当にそんなスタンスで良いのだろうか疑問だ。

途中、「新聞にのっていたので、わざわざ静岡から来ました。」という年配の女性も。

大丸デパートで、300点を超す作品を販売するというので、かなり絵画の知識があり、営業力も備えた店員さんがいると思ったのだが、やや残念な結果でした。

那波多目功一(なばためこういち)日本画展



日本橋三越の本館6階にある特選画廊で、NHK趣味の園芸表紙絵を描いている那波多目 功一(なばためこういち)先生の作品展が行われている。
これまで、オークションで何度か作品を拝見しているが、どれも素晴らしいものばかりである。
特に、赤いバラ、ひょうたんの作品は傑作。
昭和8年茨城県生まれ
日本美術院同人
日本芸術院会員
9月9日~9月15日まで
バラや百合などライフワークともいえる花の5号19点を展観。
ギャラリートーク 9月12日(土)午後2時~
サイン会 9月12日(土)・13日(日)午後3時~午後4時

日本橋三越本店 本館6F 特選画廊

虹の会
現代画壇で活躍中の、日本画、洋画、7名の作家によるグループ展。
〔日本画〕石踊達哉、中島千波、野村義照
〔洋画〕池口史子、小杉小二郎、酒井信義、佐藤泰生

日本橋三越で、小杉小二郎先生の油絵や中島千波先生の日本画が展示されているのが新聞に掲載してあったので足を運んだ。
しかし、作品の迫力はいまいち。
中島先生は、なぜ置物を時々描くのだろう?桜の花や富士などのオーソドックスなテーマに絞って描いてもらいたいような気がする。それだけだと先生が飽きてしまうのかな。置物を描いても、構図、画法などに新しいものが見られない。桜をテーマにした作品は素晴らしいと思っているだけに残念。

小杉小二郎先生の作品も小品ばかり。大作には良いものがあるだけに、物足りなく感じてしまう。

その外は、過去に昭和会賞を受賞している佐藤泰生(さとうたいせい)先生もいた。

全体的にこじんまりしていたというのが正直な感想。
作品を集めて催事を行っている画廊の力なのかも。

佐々木豊


泥棒美術学校プロ美術家になる! 泥棒美術学校《実践編》などの著者で画家の佐々木豊先生の展覧会が日動画廊で行われている。
銀座にでかけたついでに、絵描きの友人と共に、「ちょっと日動画廊をのぞいていこうか。」と、気軽に行ったところ、なんと、それまで話題にのぼっていた佐々木豊先生の展覧会だったから、お互いにびっくり。 先生はソファーに座って、来客と雑談していた。
今回は、お得意のヌードは控えめにして(一点、かなりキワドイ作品が・・・?)、バラの花を中心に展示してあった。
うまいなとは思ったが、コレクションの一つにしたいとは思わなかった。やはり、有元利夫とは違う。

佐々木豊
現代洋画壇の鬼才といわれ、著書、泥棒美術学校で絵画制作方法を公開。モチーフ選びから構図の決め方、色彩、マチエール、展覧会必勝法まで。自らの経験に基づいた実践に役立つ佐々木流絵画技法指南し、話題になった。
東京芸術大学に在籍中に国画会で国画賞を2度受賞。一躍注目の的に。
講談社フェーマススクールズで講師を長年続けている。

1935年 愛知県生まれ
1959年 国画賞受賞
1960年 国画賞受賞
1961年 東京芸術大学専攻科修了
国画35周年記念賞受賞
1962年 安井賞展出品('74~'79)
1978年 現代の裸婦展準大賞受賞
1981年 日本秀作美術展('82、'84~'87、'91~'03)
1987年 個展(池田20世紀美術館)
1992年 安田火災東郷青児美術館大賞受賞
1993年 両洋の眼展(~'04、'98、'01 河北倫明賞)
2001年 佐々木豊1969~2001(ギャラリーフェーマス)
個展(香港・マーチーニ画廊)
大原美術館作品買上「スカートの下の顔」
現在 国画会所属


泥棒美術学校は、参考になりましたが、画家としての心構えなど、プロを目指す画家の方には、こちらの著書がおすすめです。

中原真一 奥入瀬(おいらせ)の油絵


秋の奥入瀬を描いた油絵(油彩画)。
鮮やかな紅葉がまぶしい作品。
サラサラと流れる透明な水の冷たさまで感じられる風景画。
画家:中原真一
昭和28年 秋田県秋田市生まれ
昭和53年 法政大学卒
昭和60年 第1回個展 秋田セントラルデパート
昭和63年 第7回個展(鳥海山二十景展)
平成 2年 第10回(花と風景の油絵展)
平成 5年 横山申生と二人展(青森ダックシティー武田)
平成 8年 伊勢丹個展(静岡・新潟)
平成13年 青森十和田湖休屋 ぶなの森ギャラリー常設展(以降毎年)
平成18年 第27回個展(秋田県総合生活文化会館・アトリオン)
他、全国デパートにて個展50回
現在 無所属(個展を中心に活動)
秋田市在住

国立新美術館・・・二科展

国立新美術館で二科展。
二科会の作品は、東京都美術館で何回か見ているが、以前よりレベルが上がっているように思えた。
しかし、会長の織田廣喜先生とそっくりの画風で描いている作品が数点あるのには驚いた。
また、安食一雄先生の作品は、いけません。東郷青児のお弟子さんというだけの方なのか・・・作品は非常に弱々しく、残念に感じた。
二階の入り口に工藤静香さんの作品が展示されていたが、オークションなどで見るヒドイ作品とは全く違う・・・ということは、先生が手を加えているのだろうか。いけません。小品も頑張ってもらいたい。